生活リズムが乱れると、糖尿病になる:サーカディアンリズムの乱れが健康に及ぼす影響が次々明らかになる中、とりわけ注目された一つが、時計遺伝子(クロック)に異常があると成長と共にメタボリックシンドロームになってしまうということです。睡眠リズムや食事のリズムも狂い、高血圧や脂質異常症になり、その多くが糖尿病になってしまいます。
肥満症との関係:夜遅くまでスマホやパソコンを操作し、ブルーライトを浴びていると、体内の時を刻むシステムと代謝機能をコントロールしているリズムが連携して、サーカディアンリズム調整しているのに、その連携が狂い始め、夜遅くにものを食べていない、高脂肪食を食べていないのに太りやすくなる。ましてや、スマホやパソコンを操作しながら間食をするとなおさら太ってしまいます。
骨がもろい若者が急増中:骨は、1日24時間周期で新陳代謝が行われています。日中、古くなった骨を破骨細胞が溶かす「骨吸収」が活発になり、夜暗くなると、新たな骨が作られる「骨形成」が活発になる。そのバランスが保たれる事で骨量が一定に保たれています。つまり、生活リズムを整え、朝はしっかりと
ブルーライトを浴び、夜は出来るだけブルーライトを浴びずに良い質の睡眠をとることが、骨を丈夫にする秘訣です。
ブルーライトとガンの関係:看護士や国際線の乗務員など夜間勤務が多くサーカディアンリズムが乱れやすい職場で働く女性は乳がんになるリスクが大幅に高くなるといわれています。その原因の一つが、時計遺伝子の異常であることがわかってきました。人間の細胞は60兆個もの細胞でできています。常に細胞分裂を繰り返しています。古い細胞は順次死滅し、新しい細胞に入れ替わっているがそれを何度も繰り返していると、ミスコピーが生じて異常な細胞が生まれます。これががん細胞です。健康な体の中でも、毎日1,000個以上のがん細胞が作られていますが、細胞は増えすぎたり、不要に成ったりすると自ら死を選ぶ「アポトーシス」(細胞の自殺)という機能が備わっているので殆どが免疫システムも加わって死んでしまいます。
サーカディアンリズムを正常に保つことによって、時計遺伝子が細胞分裂のタイミングを図ったり、DNAに異常がないかチェックしたり、異常な細胞は修復しろと指令を出したり、細胞の監視役を果たしているのではないかと言われています。サーカディアンリズムを正常に保つ事は、時計遺伝子が正常に働く環境を作り出し、がんを予防することに繋がります。
ブルーライトがうつ病や認知症を防ぐ?:体内時計を正常に保つ事で、メラトニンとセラトニンの分泌を正常に行う必要があります。メラトニン不足になり、睡眠の質が低下したり、体内時計が乱れると、うつ病になったり認知症になったりします。又、朝や昼間はしっかりと明るい光を浴び、セラトニンの分泌を促すことにより、身体も脳も覚醒させる事により、うつ病や認知症になりにくくなり、情緒も安定します。最近、子供が切れやすくなったと言うのもセラトン不足だといわれています。メラトニンで深い眠り、質の良い眠り、セラトニンでよい覚醒作用をと言う、バランスが大切なのです。
良質な睡眠でホルモン分泌も活発に:夜寝る前にブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌が抑制されるだけでなく、健康を支える様々なホルモンの分泌リズムも乱れてしまいます。例えば、睡眠時には自律神経の副交感神経が働き、細動脈が弛緩し、成長ホルモンやプロライチンといったホルモンが体の隅々まで運ばれます。成長ホルモンは身体の成長だけでなく、傷ついた細胞の修復、疲労回復などの役割を果たす事から「老化予防ホルモン」とも呼ばれています。
母親の母乳分泌を促進するホルモンとして知られているプロライチンは、ストレス耐性の増加、細胞修復の作用が有る為、十分に分泌されないと「一晩眠っても疲れが取れない」という事になり身体に悪影響がでます。その結果、「老化の原因」になり、エイジングを促進してしまうのです。
以上、御参考までに。