【店長ブログ】
時代の変遷・・・
今週水曜日(5月6日)、老舗百貨店である池袋三越が51年の歴史に幕を下ろした。
1957年に池袋駅前に開店して以来、地元の人たちに親しまれてきた三越だが、広い売り場面積を持つ西武百貨店や東武百貨店などとの競争で遅れをとり、売り上げの低迷が続き、昨秋には閉店が決まっていた。
しかし、こうした売り上げの低迷は、池袋三越だけに限ったことではない。
百貨店業界は、ここ20年近くで売り上げが、なんと2兆円も減少しているのだ。特に売り上げの4割を占める衣料品においては、前年同月比で婦人服が -18.2%、紳士服で -19.7%と激減している。(全国百貨店売上高 2009年3月速報値)
その原因とは何か。。。
時を同じくして、4月29日に東京・原宿にオープンした、米国・LA発のカジュアル衣料店「FOREVER 21」日本1号店には、2000人以上もの人が並び、2 時間待ちの状態だったという。
魅力は何といっても低価格と品揃えの多さ。1万円で頭の先から爪先まで衣料品が揃えられるのだ。
こうした「ファストファッション」と呼ばれるアパレル店が、このところ原宿の中心地に集中して立っている。
前述の「フォーエバー21」の他に、「H&M 原宿店」 「ギャップ原宿店」 「UTストア ハラジュク」 「ザラ原宿店」 「トップショップ/トップマン ラフォーレ原宿店」 など・・・。
ファストファッションとは、ファストフードをもじった造語で、最先端の流行をいち早く取り入れ、安く提供する、衣料販売チェーンのことをいう。
同様のコンセプトで「UNIQLO(ユニクロ)」を展開するファーストリテイリング社は、前年同月比の売り上げが約20%増(2009年3月)と好調で、先月24日には、都内最大級となるユニクロ新宿西口店をオープンし、快進撃を続けている。
こうした状況をみても、百貨店で高い買い物をしなければお洒落ができない(と思っていた)時代が終わり、安くて良いモノを消費者自身が選択し、お洒落を楽しむようになったことが窺える。
百貨店業界では、今後もいろんな形での企業合併や提携など再編が繰り返されるものと考えられるが、消費者ニーズに沿った大胆な改革がなされることを期待したい。
2009-05-08