【店長ブログ】
「勝って兜の … 」
昨日行われた、第92回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦。
4166校の頂点を目指して戦ったのは、先日、イタリア・セリエAの ACミラン に移籍が決まり、早々にデビューを果たした 本田圭佑 選手の母校、石川県代表・星稜高校 と 富山県代表・富山第一高校の北陸勢同士であった。
前半34分、富山第一にペナルティエリア内で倒されて PK (ペナルティキック)を獲得。キャプテンが難なく決め、星稜が先制。 ( 星稜 1-0 富山第一 )
前半を折り返し、後半、互いに点の入らないまま迎えた 後半25分、左サイドから上げたクロスに星稜・9番がヘディングで合わせてゴール。準決勝に続いて2試合連続のゴールとなった。 ( 星稜 2-0 富山第一 )
本田選手の人気と話題性などで、全国の大半が星稜高校を応援し、その勝利を願い、誰もが優勝旗を手繰り寄せたと思った瞬間であった。
在任期間 20年以上の星稜のベテラン監督もその一人であった。 連続試合ゴールを決めた 9番をその後ピッチから下げ、残り 5分を切ったところで、チームの精神的支柱でキャプテンの10番も交代。今大会で最後となる 控えの3年生をピッチに送った。
星稜高校の イレブン、ベンチ、応援団、そして全ての関係者は、これまでの軌跡 や 優勝したときの … など、いろいろなことが頭をよぎったことだろう。。
そうした隙をついてか、その 2分後、富山第一の 20番がカウンターからシュート。一点を返した。
( 星稜 2-1 富山第一 )
今大会の準決勝まで無失点を誇った星稜に、何か異変が …。
後半45分を過ぎ、アディショナルタイムは 3分。 ラストワンプレーとなったところで、富山第一が PK を獲得。 5万人で埋めつくされたスタジアムがどよめき、ムードは最高潮に達した。
これ以上ない シチュエーションで、その重圧を一身に背負いながら、そのチャンスを冷静に決めたのは、富山第一の監督の二男でキャプテンの10番だった。ゴール。土壇場で同点に追いついた。 ( 星稜 2-2 富山第一 )
90分で決着がつかなかった北陸決戦は、前後半10分ハーフの延長戦へ。
延長前半を両チームとも無得点で折り返し、後半も残りわずか。 このままいけば PK 戦となり、準決勝で活躍した 富山第一高校の控えの GK (ゴールキーパー) で PKのスペシャリスト君、再出場 !?
と、思いかけた延長後半 9分、右サイドのスローインから富山第一の MF(ミッドフィルダ) 19番が、左足でダイレクトシュート。とうとう富山が2点差をひっくり返した。 ( 星稜 2-3 富山第一 )
その2分後、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
メンバー登録25人中23人が富山県出身というチームが監督を信じ、就任2~3年目の監督が選手たちの底力を信じ、最後の最後まであきらめずに戦い続け、見事その頂点に昇りつめた。
本当に “ アッパレ ” であった。
「 勝って兜の緒を締めよ 」 といった ことわざ があるが、2点差にリードを広げ、勝利を目前にして気を緩めてしまったことは否めない。 また、2点差と突き放され、逆境に立たされた人間は、実力以上の、いわば 120パーセントの力が発揮できるものだ、ということも実証されたのではないだろうか。
改修前の国立競技場で最後となるこの決勝戦は、まさに歴史に残る名勝負として、後世に語り継がれることであろう。
2014/01/14